突然ですが、脳画像は果たして見る必要があるのか?
この問いに対して答えが「Yes」なら問題ないのですが、
「No」もしくは「必要だけど実際は…」の場合は是非脳画像をみる前に読んで頂ければと思います。
みなさんは日ごろ、担当になる脳卒中患者様に対して、どのような準備をしますか?
そして、その患者様のどういったことが気になりますか?
- 運動麻痺はどれくらいのステージだろうか?
- 感覚障害はあるのかな?
- どれくらい動けるのかな?
- コミュニケーションはしっかりとれるのだろうか?
- 将来歩けるようになるのだろうか?
脳卒中の症状は多種多様なので、はじめは脳卒中患者様を担当する際はすごく緊張したりや悩んだりすることがあると思います。
私も臨床1年目に初めて脳卒中患者様を担当する際はとても緊張し、どんな評価をしようか、明日は何をしたらいいのかとそわそわしていたのを今でも覚えています。
ここで、評価をする際に大事になってくるのが「脳画像をみる」ことです。
少し話は逸れますが、皆さんは急なめまいに襲われた時、近くの町医者で問診などなく、突然薬を処方されて安心しますか?
大きい病院にいってめまいは三半規管の問題だからと検査もなくいきなり耳鼻科へ案内されて納得しますか?
何が言いたいかというと、初めは「めまい」という症状に対する検査をし原因を追及してもらい、それに対して必要な処置・処方などをしてほしいのが当たり前だと思います。
つまり、それを知るためには必ず事前の情報収集・状態把握が必ず必要になってくるのです。
では、これを脳卒中患者様のリハビリにあてはめてみましょう!
脳卒中患者様を担当する際に脳画像を見ていますか?
実際に、担当を言われた時に、脳卒中患者様を直接的に見なければ患者様の状態はわからないのでしょうか?
もし前もってその患者様の状態を予測することができれば少し気持ちも楽になったり、評価する項目・みるべきポイントも明確になるはずです。
そうなった際に、先ほどの気になることに脳のどこが障害されているのか?ということは入っていましたか?
脳卒中患者様の根本的な病態は脳にあります。
つまり脳を見ることでその患者様の状態や症状を予測することができます。
患者様と直接会うまでに、脳画像を見て予測しておくことで、限られた時間でとるべき評価の優先順位を決めることができるかもしれません。
動作観察と医学的評価を結びつける
まず患者様を担当した際に重要なことは、
医学的な評価をとり、動作観察を行い、問題点を挙げ、治療をする
こういった一連の流れが大事になってきます。
例えば麻痺側を振り出す際に足部がひっかかる患者様がいたとします。
そこだけを切り取り、「足関節背屈ができないから前脛骨筋の筋トレ」「足関節が硬いから下腿三頭筋のストレッチ・マッサージ」これでいいのでしょうか?
この患者様の背景には脳卒中があります。
足関節背屈ができない原因はROMや筋力の問題なのでしょうか?
運動麻痺が原因でできないのか、はたまた異常筋緊張の影響で足関節背屈を阻害しているのか、それ以外に問題があるのかを考えないといけません。
そうなった時に、これを知る鍵になるのが脳画像にあります。
運動麻痺であれば装具療法や電気刺激療法などを用いる方が効率的かもしれません。
阻害している原因・問題になってる症状によって治療手段も変わってくるはずです。
つまり病態の根本である脳を見てそれらを把握する必要があります。
脳画像をみるための大事な考え方
ドラゴン桜より
これはドラゴン桜で出てくるある場面なのですが飢えた人が目の前にいるとします。
すぐ近くには魚が取れる海があります。
あなたはその海で魚を取ってその方にあげますか?
それとも魚の取り方をその方に教えてあげますか?
前者であればその方は一時的に飢えから免れるかもしれませんが、また日が経つとその方は飢えてしまいます。
これでは根本的な解決にはなりません。
後者であればその方は自分で魚を取ることができ、この先ずっと飢えずに生活することができるかもしれません。
リハビリも同じことではないでしょうか?
根本的な病態を知り治療手段を選択できれば効率的な介入になります。
このブログでは今後、効率的な治療に活かすためにどのように脳画像を見ていくかをまとめていこうと思います。
脳卒中を初めて担当する方や今まで脳画像を見ることがなかった方に読んでいただき、少しでも参考にしていただければと思います。
次回は脳画像におけるCT・MRIの違いについてまとめていきます!
脳画像におけるCTとMRIの違いとは?