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脳画像をみる前に知っておいて欲しい脳の機能解剖!

臨床場面で見る機会の多い脳画像ですが、 実は、その脳画像を見る前に 必ず知っておいて欲しいことがあります。 それは脳自体の解剖を理解する ことです。 そして、今回は解剖といっても、 各脳のスライスレベルでの解剖ではなく、 脳自体の構造を知るということについて まとめていきたいと思います。

脳の解剖を理解する

基本的に脳機能はどういったことを しているのかというと、 電気信号のやり取りによって、  
ポイント
  • 必要な情報を必要な場所で受け取ったり(input)
  • 必要な場所に届けたり(output
  • 場合によってはある部位で情報をまとめたり(処理・統合
しているのが特徴です。   そこで重要になってくるのが、 脳の構造を
  • 灰白質
  • 白質
  • 脳室
3つに分類してみていくことです。
脳構造でみる脳の役割 ・灰白質:直接機能をもつ部位 ・白質:それぞれの機能をつなぐ線維 ・脳室:直接的な機能を有さず、栄養を送る
 

灰白質とは?

脳のことを勉強していると良くでてくるのが ブロードマンの〇野といった名称ですが、 これは大脳皮質表面の 直接的な機能を有する灰白質 にあたります。   その他、出血部位の好発部位としての 基底核視床なども この灰白質にあたる部分になります。   では、この灰白質は何かというと、 脳実質そのものが 機能を有している部位 になります!   どういうことかというと、 ブロードマンのエリアには それぞれにそれぞれの機能があります。 (例えば4野は運動出力する領域 に関わり、 3野は体性感覚を入力する領域 といったように)   また基底核のように運動の開始・停止運動プログラムを作る部位や、 視床のように核の集合体で、 それぞれに核特有の機能を もった部位があります。

白質とは?

それに対して〇〇路といったような 灰白質と灰白質を結ぶ経路のことを 白質と呼びます! 代表的なのが、運動を司る皮質脊髄路 (大脳皮質と脊髄をつなぐ経路)や 姿勢保持に関わる網様体脊髄路、 内包といわれる部分も 白質線維の通り道の総称となります。   つまり、脳画像を見る際には この直接的な機能をもつ 灰白質の問題なのか、 もしくは機能をつなぐ 白質の問題なのか、 これをある程度読み解くことが 予後予測や脳画像をみる 最も大きな意味になります。 その中で灰白質にはどういった機能が あるのか? 白質線維が どうすれば繋がりやすくなるのか? もしくは現在どうやって繋がっているのか? そういった部分を脳画像を通して、 脳の浮腫や血腫などの 脳の状態を読み解き、 治療効果をみていくことが 大事になるのです。   脳卒中治療においては、 運動麻痺の回復ステージ理論に 代表されるように 脳の変化に対して、 脳機能の可塑的変化が生じます。 その際に、脳卒中後は 脳がどのように変化していくのかも ある程度理解する必要があるのです。

脳室とは?

そして、最後の脳室ですが、 ここは灰白質や白質のような 脳を動かすための機能はなく、 脳に血管栄養を届けることが 主な機能になります。   その際に知っておいて欲しいことは、 脳の血腫などが どのように流れ出ているのか(脳室穿破)、 脳の障害によって本来あるべき脳室が どのような形になっているのか (脳実質内の圧迫)、 これを理解することが 脳機能の回復に影響を及ぼしてくるのです。   脳室穿破の場合は、 血腫が脳室を介して第四脳室などへ 流れ出ることで、 脳幹レベルに影響を及ぼし、 意識障害や眼球運動、 嚥下や歩行などにも 大きな影響を与えてきます。   脳への圧迫に対しては、 正中偏移(midline shift)や 脳のネットワークの影響による 機能乖離(diaschisis)が 生じるため、 今みられる現象が 脳のどこの障害によるものかを 明確に把握することが治療においても とても重要になってきます。

まとめ

脳画像をみるためのポイント

  • 脳を3つの種類(灰白質・白質・脳室)に分ける
  • 灰白質は神経細胞の集合体で機能を有する
  • 白質は細胞体と細胞体を繋ぐ神経線維の役割
  • 脳室は脳への栄養配給に重要

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