何故脳画像をみる必要があるのか?
運動麻痺をみる際には患者さんの症状をみるだけではなく、脳画像もみる必要があります。
例えば同じ診断名(視床出血を例に)でも、運動麻痺が重度なケースもあれば、軽度だけど失調様症状も呈す場合、全く運動麻痺がないケースなど、診断名だけでは判断がつかない運動機能がみられます。
そうなったときに、
その動きがそもそも運動麻痺によるものなのか?
運動麻痺の影響ではなく、廃用などの二次的な筋力低下なのか?
他の脳機能により出力のコントロールができていない問題なのか?
といった部分は、中々患者さんの動きからだけでは同定ができません。
実際の臨床場面では、患者さんの症状からある程度の予測を立てていくのですが、それにはやはり経験と知識が必要になってきます。
ただ、若い療法士などは中々そういった視点から患者さんの身体機能や運動能力をみることは難しいと思います。
そうなったときに必要になるのが、脳画像をみてその動きの原因を解釈することなのです。
それには脳画像をみる力が、今後セラピストには必ず必要になってくるし、それがみれないと予後予測や治療介入も導き出せません。
今回は、運動麻痺に関わる一次運動野や皮質脊髄路を脳画像からどのように同定していくかを簡単にお伝えしていきます。
当セミナーでは歩行だけでなく、こういった脳機能の基礎的な知識も得ることができるので、興味がある方は是非直接話を聞きに来てくださいね。
脳画像から皮質脊髄路を探す順番
これら一つ一つの脳画像スライスをしっかりみていきながら、一次運動野や皮質脊髄路がどの程度障害を受けているのか、そしてどの程度運動麻痺として出現しているのかを見つけていく必要があります。
そして、実際の歩行などの現象を通して、それがどのように影響を及ぼしているかを考えながら、運動麻痺の問題点に対して、それに合った治療介入をしていくことが、運動麻痺による歩行能力の改善の一番の近道となるのです。
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